2025/06/15 ブログ
神経を抜く前に知っておきたい根管治療のリスクとは
根管治療は、強い痛みを取り除くために歯の神経を除去する処置です。痛みから解放されるという大きなメリットがある一方で、神経を取り除くことで発生するデメリットも存在します。
「痛くなくなったから、もう治った」と思われる方も多いですが、神経を抜いた歯にはリスクが潜んでいます。今回は、根管治療による神経除去がもたらす影響や、当院の治療方針についてご紹介します。
神経を抜いた歯に潜むリスクとは?
神経には、歯に栄養や水分を供給する役割があります。しかし、神経を取り除くことで歯は内部から乾燥し、いわば“枯れ木”のように脆くなってしまいます。その結果、歯が割れたり折れたりする「歯根破折」のリスクが高まります。
さらに、使用するコア(土台)の材質によっても破折リスクは変動します。強度のある素材を使えば安心というわけではなく、むしろ硬すぎると歯の根に負担がかかり、折れやすくなるケースもあります。
一度歯が割れてしまうと、ほとんどの場合は抜歯を避けられません。そのため、神経を取り除いた歯の寿命は自然歯と比べて短く、一般的に約20年といわれています(個人差あり)。
神経を残すための治療を大切にしています
こうしたリスクを踏まえ、当院では安易に神経を抜くことは行いません。歯の神経はできる限り保存する方針で治療にあたっており、そのための診断と技術に力を入れています。
またマイクロスコープとラバーダムを組み合わせることで、従来よりも格段に精度の高い根管治療を実現しています。
>>詳しくは前回のブログをご覧ください。
そもそも神経に虫歯が達しないようにすることが最も重要です。当院では、毎日の丁寧なブラッシングに加え、3ヶ月〜半年に一度の定期検診を推奨しています。初期段階での虫歯治療こそが、神経を守る最善の方法です。